「御藩祖をどり」という歌をご存知でしょうか。昨年、83年ぶりに復元され、青葉まつりで披露されたご幻の当地ソングです。
昭和10年の伊達政宗公300年祭では、仙台城跡に政宗公騎馬像が建てられ、政宗公を讃える記念の歌が作られました。この歌が「御藩祖をどり」です。
作詞が西條八十さん、作曲が中山晋平さんで、昭和10年5月12日、仙台産業観光博覧会の開会式で披露され、NHKラジオで全国放送されたそうです。
ところが、警察による検閲で発表禁止処分になりました。3番の歌詞に「仙台城に祀る玉座の十四代」とあり、玉座が不敬に当たるとされたそうです。初披露の後お蔵入りとなってしまいました。
政宗公生誕450年の平成29年、直筆の楽譜が中山晋平の出身地、長野県中野市の中山晋平記念館に残されていたことが判明しました。歌の復元に取り組んだのは、宮城教育大学の大泉勉名誉教授、男性合唱団「いずみオッチェンコール」、ピアノ伴奏の尾澤香織さんです。
このお話を、楽譜を探し当てた佐々木伸さんに教えていただき、感慨を新たにしました。今年も青葉まつりで山鉾に乗せていただきましたが、昨年以上に、山鉾の上から眺める仙台の街並みが輝いて見えたのは、佐々木伸さんの「奥州・仙台の謎解き」を読ませていただいたからでしょうか。