怠ってきた保健所強化

 仙台市における新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。

 仙台市の最近1週間(3月22日から29日)の新規感染者数は658人で、人口10万人当たりでは60.26人となり、東京都(18.11人)の3.3倍にもなっています。また、感染経路不明者は何と65.0パーセントです。

 仙台市保健所は、繁忙を極め、感染者の行動歴調査が追い付いておらず、濃厚接触者の特定も十分に行われていません。また、濃厚接触者のPCR検査も遅れていることから、市中感染拡大のリスクは高まる一方です。さらに、昨日、重症者数を正確に把握していないことが明らかになりましたが、その理由が何と、多忙とのこと。

 どうして、仙台市保健所が機能麻痺を起こしているのか。感染者の急増が原因ではありますが、リスクマネジメントを怠ってきたことも重大な要因です。

 昨年、国の緊急事態宣言が解除された後、保健所支所長から、感染拡大の第二派、第三派に備えて、新型コロナへの対応を保健所本所に一元化し、支所の人員を本所に集約し一括管理とし、業務の効率化を図りべきだとの提案が出されました。しかし、市の幹部は無視しました。非常時には、資源を集中的に投下することが危機管理の鉄則ですから、支所長の提案は理にかなっています。実現していれば、これほど深刻な状況になっていなかったのではないかと悔やまれます。

 仙台市は、昨年3月以降、小出しに場当たり的に人員配置を行ってきましたが、業務の増加に対応しきれていません。昨年の時点で、感染の急拡大に備えたリスクマネジメントを行うべきでした。しかし、今は感染急拡大の危機事案が発生している非常時です。今すべきは、惜しまず行政資源を集中投下し、迅速な対応を行うことです。引き続き取組みを求めてまいります。